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最近、深く感動したい、と思うことが増えた。
毎日、代わり映えのしない自室の中で閉じ籠っている間に世界は忙しなく流動しているからだろうか。
どこかで人が死に、どこかで命が生まれる。
どこかで漣が聞こえ、どこかで草木が踊る。
どこかで誰かが恋に落ち、どこかで思いは報われることがない。
どこかで人はつながり、どこかで途絶える。
きっと、こんな世界が動いている間に、私はパソコンと向かって惰性を過ごしていくのだろうか。
自分の好きなことをしようとすればするほどまとわりつく、邪悪で陰湿な存在。
それと戦おうと決意し、付く眠りは不快で翌朝に慣れば知らぬ顔で寝坊する自分。
嫌気が指すのだ。
無論、私の日々もすぎていく。
わかりきったそのことすらも信じられないような気分になってしまう程、私は世界と乖離し始めているのかもしれない。
深い体験がしたい。大きく心が揺れ動いて、心臓が武者震いするような。
世界の中でたった1つしか見えなくなるような。
全てのものごとを捨ててでもこれに掛けたい、そう思えるような。
人やもの。何か、自分にしかないものを。
どうやってもありきたりに聞こえる。甘えかもしれない。
あなた独自と言われたら完全に否定する気はないかもしれない。
でも、どこにもない世界観を。
それを賞賛してくれる人を。
「才能」なんて言葉では到底はかりきれない、
順位付けされずに自分だけが頂点に在る世界線を。
どうか、誰か、私に授けてください。
だから私は問うのだと思う。
この世界から乖離した先には、挙句には、何があるのか。
しなければ満足はできるのか。果てしないこの欲望を満たす日は来るのだろうか。
ゼロから何が作りあげられる訳でもないこの私に。